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配車システムとは?種類・メリット・選び方・事例を紹介


公開日:2023年11月17日
更新日:2024年2月9日

配車システムとは、配車計画の作成業務を支援するシステムのことです。
簡単に配車が組めたり、自動で配車がされたりすることで、配車業務の属人化解消や工数削減などに寄与します。

当記事では、配車システムの種類や活用メリット、製品比較時のポイントなどについてご紹介していきたいと思います。

※当記事はトラック運送業向けの配車システムにフォーカスした記事です。
タクシーの業務向けの配車システムは対象にしておりません。


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配車システムとは?


配車システムとは?

配車システムとは、配車計画の作成業務を支援するシステムのことです。配車業務の属人化解消や効率向上などに有効なシステムであり、ドラッグ&ドロップのかんたんな操作で配車組みが行えるものがあれば、AIによって最適な配車計画が自動で作成されるものなどもあります。

近年は、人手不足や長時間労働といった業界課題に加え、デジタル化やDXといった社会的な流れもあり、配車システムを導入する物流現場が増えてきました。運送事業者や物流事業者からのニーズは年々高まっています。


配車システムの種類


配車システムは大きく分けると2つの種類があります。それが配車管理システムと自動配車システムです。


配車管理システム

配車管理システムは、配車組みをかんたんな操作でできるようにする機能を備えているのが特徴です。ガントチャート画面でドラッグ&ドロップで荷物の割付ができたり、トラック一台一台の稼働時間や移動距離、積載率などが数値データとして表示されたりすることで、業務効率向上や精度向上を図ることができます。

また、配車情報や受注情報などを管理・共有しやすくする機能を備えているのも特徴です。そのため、輸配送業務やコストの分析・改善などにも役立てることができます。


自動配車システム

自動配車システムとは、配車計画の作成業務を自動化させるシステムのことです。自動配車システムは配車組みを考える部分をコンピューターが担うのが特徴です。前述した配車管理システムは配車組み自体は人が考えます。自動配車システムと配車管理システムでは、この点が大きく異なります。

本来、配車業務は、現場に存在する様々な制約条件を考慮しながら効率の良い配車を組まなければならないため、配車マンの勘や経験・知見がものを言う職人的な業務ではありますが、AIやアルゴリズムなどによって自動化が可能となります。そのため、配車業務の効率向上や精度向上、標準化を図ることができます。

自動配車システムは輸送シミュレーションにも◎


自動配車システムは、日々の配車業務に加え、輸送シミュレーションにも使用できるシステムです。自動配車システムを使用すれば短時間で配車計画が自動生成されるため、条件を変えながら様々なパターンの配車を試せるのです。

自動配車システムは、固定ルートの作成・変更や配送効率化の追求を目的としたシミュレーションを主とした使い方にもフィットします。

【自動配車システムについて詳しく知りたい方はこちら】
自動配車システムとは?得られる効果は?自動配車システムベンダーが解説


配車システムの活用メリット


配車システムの活用メリット

配車システムは複数の効果をもたらしてくれるシステムです。配車業務の効率化や標準化をはじめ、その他にも様々な効果を得ることができます。

配車システムの活用メリット1.配車業務の標準化につながる

配車システムを活用することで、配車業務を標準化させることができます。自動で配車がされたり、かんたんな操作で配車が行えたりすることで、一定の水準の配車が誰でも組めるようになります。

そのため配車システムを活用することで、配車業務を土地勘や経験がないとできない属人的な業務から、土地勘や経験がなくてもできる標準的な業務へと抜本的に変えることが可能となります。

さらには、配車システムに配車マンのノウハウを反映させれば、過去に積み重ねてきた独自の知見をメンバー間に共有させることができます。配車のノウハウを配車マンの頭の中だけのものにせず、会社の貴重な資産として残していくことができるようになります。


配車システムの活用メリット2.配車業務の効率向上につながる

配車業務の効率を向上させることができるのもメリットです。特に自動配車システムであれば、配車マンの経験と勘に頼らざるを得ないような複雑な配車計画も自動でかつ短時間で作成してくれます。

そのため、業務効率化とともに、マルチタスクで過重労働となりやすい配車マンの負担を軽減させる効果も期待できます。


配車システムの活用メリット3.輸配送業務の生産性向上につながる

輸配送業務の生産性を向上させることができるのもメリットです。トラックの稼働時間や移動距離、積載率、燃料費など客観的なデータに基づいた配車計画が作成できるようになり、ムリ・ムダの少ない輸配送業務が行えるようになるためです。

配車システムの活用は、コスト削減やCO2排出量削減、さらにはドライバー不足対策にも有効であり、ドライバーという貴重な人的リソースを最大限にいかし守ることにもつながります。

【関連記事】
なぜドライバー不足は深刻に?要因や対策のポイントなどについて解説します


配車システムの活用メリット4.輸配送品質の向上につながる

輸配送品質を向上させることができるのもメリットです。ガントチャート表示や地図上でのルート表示などによって輸配送業務が可視化され、誰がどの荷物を何時までに運んでいるのか、ドライバーそれぞれが今どのあたりを走行しているのか、などといった様々な情報が明確になるためです。
製品によっては運行時のトラックの位置情報がリアルタイムで分かる動態管理機能が付いているものもあります。

そのため、遅配や誤配、人的ミスなどを未然に防ぐ効果が期待できます。


配車システムの活用メリット5.ドライバーの業務の平準化につながる

ドライバーの業務を平準化させることできるのもメリットです。業務量が数値化されたり業務の無駄が把握できたりすることで、ドライバーにとって公平な配車が組みやすくなるためです。

そのため、一人のドライバーに業務量が偏るということを防ぐことができます。

配車システムの活用メリット6.配車結果が運賃交渉をする際のエビデンスになる

配車システムによる配車結果を荷主との運賃交渉の際に活用できるのもメリットです。

配車システムであれば、客観的なデータに基づいた配車計画が作成でき、トラックごとの走行距離や稼働時間などが数値化されたり、地図上でルートが表示されたりします。そのため、配車システムによる配車結果が運賃値上げの根拠となる資料にもなり得るのです。

荷主にとって分かりやすいエビデンスを一つ加えられると共に交渉力強化につながります。


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配車システムの選び方のポイント!比較する際にチェック


配車システムの選び方のチェックポイント

配車システムは各社から様々な製品がリリースされています。実際、導入の際にはどの点を見て比較検討すると良いのでしょうか。配車システムを比較検討する際に、チェックしておきたい大切なポイントを3つ挙げました。ご参考になれば幸いです。

どのような効果をもたらしてくれるのか?

配車システムの比較の際は、その製品が「どのような効果をもたらしてくれるのか」という点を十分にチェックする必要があります。

配車システムと一口に言っても、日々の配車業務の効率化に適した製品があれば固定コースの最適化に適した製品があるなど様々だからです。それぞれ特徴が異なれば、対応する制約条件、機能やオプションの種類も異なります。

製品比較の際は不明点も多いかと思います。その際はシステム会社の担当営業の方に、良く相談をして不明点をクリアにしておくのもポイントです。どのようにして配車システムを使用していったら良いかなどの運用部分も含めて相談しておくと良いでしょう。

また、製品によっては無料試用が可能な製品もあります。その場合は、まずは無料で試してみることをおすすめします。期待する効果が得られそうか、使い勝手が良いか、を実際に確認してみてください。


クラウド型かオンプレミス型か?

配車システムを比較する際は、その製品がクラウド型かオンプレミス型か、ということもチェックポイントになります。

双方メリット・デメリットがあり、一般的に、クラウド型は導入がしやすくコストも抑えやすいのがメリット、オンプレミス型はカスタマイズの自由度が高く他のシステムとの連携がしやすかったり自社基準に照らし合わせたセキュリティ対策ができたりするのがメリットとなります。

タイプによって向き・不向きがありますので、自社の業務や体制にフィットするタイプを選ぶのが重要です。

クラウド・オンプレミスのそれぞれのメリット・デメリットについては下記をご覧ください。

【クラウド型】
●メリット
・初期費用を抑えやすい。月額制でコスト管理も簡単。
・試用期間が設けられているサービスが多い。
・自社でシステムの構築をする必要がなく導入を簡略化できる。
・自動で機能の更新や新機能の追加がされていく。

●デメリット
・カスタマイズの自由度が低い。
・インターネット回線の状況で通信速度が低下する恐れ。


【オンプレミス型】
●メリット
・カスタマイズの自由度が高い。
・自社システムとの連携がしやすい。
・自社基準のセキュリティ対策ができる。

●デメリット
・初期費用がかかる。
・システム構築まで時間がかかる。

【クラウド・オンプレミスのそれぞれの違いについて詳しく知りたい方はこちら】
クラウドとは?オンプレミスとの違いやメリット・デメリットも紹介!


サポート体制

配車システムの比較の際には、そのシステムのサポート体制をチェックしておくことも重要です。配車システムは、データの入力方法や設定・操作方法など慣れないうちはスムーズにいかないことがあるためです。

サポートを必要とする部分が生じてくる可能性が高いですので、「各社どのようなサポートが受けられるのか」というのはチェックしておいたほうが良いでしょう。例えば、「夜間も対応してくれるのか」「1カ月の相談件数に制限はあるのか」などです。

また、これは製品導入後の話になりますが、配車システムの現場導入を成功させるためにはサポートに遠慮しないことがポイントです。問い合わせをするのがおっくうとなることがあるかもしれませんが、不明点やつまずいた部分があればすぐにサポートに問い合わせることをおすすめします。分からない部分をそのままにしておくのはユーザー、システム会社の双方にとって良くないためです。サポートは使いきることを心掛けてください。


自動配車システムの導入事例


弊社はAI自動配車システムを提供しております(主力製品:LYNA 自動配車クラウド)。配車業務の効率化や属人化解消の取り組みにご活用いただけるシステムです。お客様の事例を一部ご紹介いたします。


自動配車システム導入事例①配車業務の効率向上:5〜6時間→30分

【対象】
惣菜の個配。

【課題】
・配車業務の属人化。
・工数過多による配車担当者の長時間労働。ベテラン社員が担当しても5時間から6時間かかっていた。
・配送件数が増加し上記の課題が浮き彫りになっていた。

【目的】
・配車業務の効率化や標準化。

【効果】
・配車業務の効率向上。5〜6時間→30分。
・残業時間の削減。20時間以上の削減。
・配車業務の標準化。データが揃えばパート社員でも配車を組めるようになった。
・配車担当者にかかるプレッシャーやストレスなどの精神的な負担の軽減。
・ミスやトラブルの減少。

【詳細は導入事例ページをご覧ください】
配車業務にかかる時間を大幅削減!90%の削減に成功


自動配車システム導入事例➁業務標準化:スムーズな業務引継ぎに成功

【対象】
コンビニエンスストア店舗のルート配送。

【課題】
・工数過多。固定ルートの変更に丸2日かかっていた。
・厳しい時間制約があると共に土地勘や経験がなくては難しく、数年、業務の引継ぎができない状況が続いていた。

【目的】
・配車業務の効率化。業務引継ぎを視野に入れた標準化。

【効果】
・配車業務の効率向上。丸2日→数時間。
・配車業務の標準化。土地勘や経験が無くても配車が組めるようになった。
・業務引継ぎがスムーズにできた。

【詳細は導入事例ページをご覧ください】
土地勘や経験が一切不要に!配車業務の標準化によりスムーズな引継ぎに成功

その他、30社を超える自動配車システムの導入事例はこちらから


弊社(株式会社ライナロジクス)ホームページでは、様々な企業様の導入事例を掲載しております。

導入事例ページでは、自社の課題や業務特性に対応する事例が検索しやすいよう、目的別(業務負担の軽減・属人化の解消・車両台数の削減など)や輸送品目(食品・家電・家具・生活雑貨など)ごとなどで検索できようになっております。
「具体的な利用シーンや自社で使えるかイメージが湧かない」という方は、ぜひ弊社の導入事例ページをご覧ください。
配車システムの導入事例



配車業務の標準化や配送業務の生産性向上などが一度に実現できる


配車システムとは、配車計画の作成業務を支援するシステムのことです。配車システムを活用することで、配車業務の標準化や効率化をはじめ、輸配送業務の生産性向上や輸配送品質の向上、ドライバーの業務の平準化などの効果が期待できます。

そのため、配車システムは多くの運送会社でみられる配車業務の属人化や配車担当者の過重労働、ドライバー不足などの対策・解決に有効なシステムであるといえます。

弊社(株式会社ライナロジクス)はAI自動配車システムを開発・提供しているベンダーとして20年超の実績があります。
主力製品は「LYNA 自動配車クラウド」。 カスタマイズ無しですぐに使えるAI自動配車システムです。
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