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25年8月5日、特定事業者の指定基準値が決定|物流効率化法


2025年8月5日に物流効率化法に関する政令が閣議決定され、特定事業者の指定基準値が決定しました。
対象となるのは、荷主、連鎖化事業者、倉庫業者、貨物自動車運送事業者等です。指定基準値は事業者ごとに定められており、基準値を上回るそれぞれの事業者は特定事業者として指定されることになります。

※当記事は、2025年8月15日時点の情報をもとに作成しています。

特定事業者の指定基準値が決定


2025年8月5日に物流効率化法に関する政令が閣議決定され、特定事業者(特定荷主、特定連鎖化事業者、特定倉庫業者、特定貨物自動車運送事業者等)の指定基準値が決定しました。

特定事業者の指定基準値は以前より国が作成する物流効率化法の解説資料などで予定の値が記載されていましたが、今回の政令により正式に決定したことになります。なお、各特定事業者の指定基準値は、以前より国が予定していた値から変更はありませんでした。

特定第一種荷主の指定基準値


今回政令で定められた特定第一種荷主の指定基準値は以下です。

●特定第一種荷主の指定基準値:年間(前年度)の取扱貨物の重量が9万トン以上

なお、特定第一種荷主として指定される際の要件として「取扱貨物の重量」がポイントとなるわけですが、ここでいう「取扱貨物の重量」とは、第一種荷主が、貨物自動車運送事業者もしくは貨物利用運送事業者に依頼し、トラックで運送を行わせた貨物の重量のことを指します(※)。

上記から、貨物自動車運送事業者もしくは貨物利用運送事業者に依頼し、トラックで運送を行わせた貨物の総重量が年間(前年度)で9万トン以上の場合は、特定第一種荷主として指定される、ということになります。

(※)以下の貨物は除外:トラック以外の輸送手段で運んだ貨物。

【関連記事】
物流効率化法|第一種荷主と第二種荷主の定義・違いとは?
物流効率化法|26年4月から特定荷主に加わる措置(義務)の内容

特定第二種荷主の指定基準値


特定第二種荷主の指定基準値は以下です。

●特定第二種荷主の指定基準値:年間(前年度)の取扱貨物の重量が9万トン以上

特定第二種荷主でいう「取扱貨物の重量」とは、取引先が契約した貨物自動車運送事業者(貨物利用運送事業者)のドライバーから受け取った、または引き渡した貨物の重量のことを指します(※)。

上記から、取引先が契約した貨物自動車運送事業者(貨物利用運送事業者)のドライバーから受け取った、または引き渡した貨物の総重量が年間(前年度)で9万トン以上の場合は、特定第二種荷主として指定される、ということになります。

(※)以下の貨物は除外:第二種荷主が、受渡しを行う日や時刻・時間帯をドライバーに指示することができない貨物。

特定連鎖化事業者の指定基準値


特定連鎖化事業者の指定基準値は以下です。

●特定連鎖化事業者の指定基準値:年間(前年度)の取扱貨物の重量が9万トン以上

特定連鎖化事業者でいう「取扱貨物の重量」とは、連鎖対象者(フランチャイズチェーンの加盟店)がドライバーから受け取った貨物の重量のことを指します(※)。

上記から、連鎖対象者がドライバーから受け取った貨物の総重量が年間(前年度)で9万トン以上の場合は、特定連鎖化事業者として指定される、ということになります。

(※)以下の貨物は除外:連鎖対象者との契約により、連鎖化事業者が、受渡しを行う日や時刻・時間帯をドライバーに指示することができない貨物。連鎖対象者が、貨物自動車運送事業者もしくは貨物利用運送事業者に依頼し運送を行わせた貨物。

【関連記事】
物流効率化法|連鎖化事業者の定義や求められる取り組みの内容とは?

特定倉庫業者の指定基準値


特定倉庫業者の指定基準値は以下です。

●特定倉庫業者の指定基準値:年間(前年度)の貨物の保管量が70万トン以上

「貨物の保管量」とは、荷主から寄託を受け、入庫された貨物のことを指します。

上記から、荷主から寄託を受け、入庫された貨物の総重量が年間(前年度)で70万トン以上の場合は、特定倉庫業者として指定される、ということになります。

特定貨物自動車運送事業者等の指定基準値


特定貨物自動車運送事業者等の指定基準値は以下です。

●特定貨物自動車運送事業者等の指定基準値:前年度末日時点での保有車両台数が150台以上

「保有車両台数」とは、貨物自動車運送事業、または第二種貨物利用運送事業で使用するために保有している車両のことを指します。

上記から、前年度末日時点で、貨物自動車運送事業用、または第二種貨物利用運送事業用として貨物自動車を150台以上保有している場合は、特定貨物自動車運送事業者等として指定される、ということになります。

特定事業者に該当する事業者の想定数


国は、国内の取扱貨物量の半分程度をカバーすることを前提に特定事業者の指定基準値を算出したとしています。

特定荷主・特定連鎖化事業者には上位約3,200社が、特定倉庫業者には上位約70社が、特定貨物自動車運送事業者等には上位約790社が、該当することが見込まれています。


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まとめ


2025年8月5日に物流効率化法に関する政令が閣議決定され、各特定事業者の指定基準値は以下のように決定しました。

・特定第一種荷主:年間(前年度)の取扱貨物の重量が9万トン以上
・特定第二種荷主:年間(前年度)の取扱貨物の重量が9万トン以上
・特定連鎖化事業者:年間(前年度)の取扱貨物の重量が9万トン以上
・特定倉庫業者:年間(前年度)の貨物の保管量が70万トン以上
・特定貨物自動車運送事業者等:前年度末日時点での保有車両台数が150台以上

上記の指定基準値を上回る事業者は、特定事業者としての届出が必須であるとともに、2026年4月からは特定事業者としての義務が課されることになります。

参考資料:
国土交通省「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備に関する政令案要綱」
国土交通省・経済産業省・農林水産省「物流効率化法 理解促進ポータルサイト.特定事業者の指定」

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