初心者向けかんたん物流コラム
3PLとは、第三者企業が荷主に代わって物流業務を行うサービスのことです。自社のリソースの投入が抑えられ、かつ物流コスト削減や納品リードタイム短縮などのメリットが期待できることから、導入企業によっては非常に大きな効果が得られるサービスとなります。当記事では、3PLサービスについて分かりやすく解説していきます。
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3PLの定義に関して、国土交通省「総合物流施策大綱(2005-2009)」の中で以下のように書かれています。
3PLは「3rd Party Logistics(サード・パーティー・ロジスティクス)」の略称であり、「スリーピーエル」もしくは「サンピーエル」と読みます。
前述した国土交通省「総合物流施策大綱(2005-2009)」の3PLの定義の中に「荷主でもない、単なる運送事業者でもない」という表現があります。これはつまり、荷主をファーストパーティー、セカンドパーティーを運送事業者としています。
また、これとは異なり、ファーストパーティーをメーカー、セカンドパーティーを卸や小売りとして捉える場合もあります。
3PLサービスを提供する事業者は、倉庫やトラックなどのアセット(資産)を保有するアセット型とアセットを保有しないノンアセット型の2種類に分けることができます。
アセット型は、アセットを保有し3PLサービスを提供する事業者のことを指します。アセットの例としては、商品を保管するための倉庫や商品を運ぶためのトラック、倉庫管理や輸配送管理を効率的に行うためのITシステムなどが挙げられ、これらの経営資源を活用しながら荷主企業の物流業務を一手に担います。
また、アセット型は自社のアセットを活用できることから現場との距離感が近いことが特徴です。そのため、管理側と現場側間の意思疎通が図りやすく、対応スピードやサービス品質の安定といった点でノンアセット型よりも優位性があります。
ノンアセット型は、アセットを保有せずに3PLサービスを提供する事業者のことを指します。ノンアセット型の3PL事業者は、荷主企業の要望を汲み取り物流全体の設計図を描き、それに見合った外部の運送事業者や倉庫事業者などに業務を割り振っていきます。
ノンアセット型の3PL事業者は、より第三者的な視点で荷主企業の物流を捉えられるのが特徴です。荷主企業の要望にも柔軟に応えやすいと言えます。
3PLサービスを提供する代表的な企業としては「ロジスティード株式会社」「センコーグループホールディングス株式会社」「日本通運株式会社」などが挙げられます。
日本の3PLのパイオニアであり、3PL市場をリードし続けているのがロジスティード株式会社です。
1980年代半ばから、3PL事業を本格的にスタートさせ、ファッション、建材、医療、食品など、様々な分野へと進出。1990年代後半からは次々と大手企業の3PLを手掛け、大規模3PLの実績も豊富です。
また、近年は海外事業拡大に注力。海外比率目標を50%以上に設定し、アジアにおけるM&Aの展開や自動化機器導入の投資など、海外事業拡大に向けた動きが活発になっています。(2023年4月に、商号を株式会社日立物流からロジスティード株式会社に変更)
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前身の富田商会から数えると100年以上の歴史を持つ総合物流企業です。
チェーンストア、食品、ファッション、ケミカル、住宅など、様々な業界の物流業務を担ってきた知見や、ITを駆使したコンサルティング力などを強みに、3PL事業を展開しています。
また、サプライチェーンにおける課題の本質的な解決に導くため、荷主とのコミュニケーションを重視しており、アセットにこだわらない柔軟な物流提案で荷主のニーズに応えています。
日本最大級の総合物流企業です。
強みは豊富なアセットやノウハウ。186のグループ会社からなる国内を網羅する輸送ネットワークを有していることに加え、倉庫保有面積も国内最大規模。全国各地に物流倉庫を保有しています。
業界に特化したノウハウを持つ専門スタッフが在籍しているなど、人材も豊富。荷主企業に対し、アセットとノウハウを掛け合わせた柔軟なロジスティクス提案が行える体制が整備されています。
3PLの導入によって、コア業務に集中できるようになります。
3PL事業者に物流業務を委託することで、自社で物流を構築したり運用したりといった必要がなくなれば、物流に特化した人材を新たに採用したり育成したりといった必要もなくなるためです。
物流業務への負担が大幅に減り本業に集中できるようになります。
3PLの導入は、物流コストの削減という点でも期待ができます。
理由としては2つ挙げられます。
1つは、物流効率の向上という観点からです。一般的に、3PL事業者は、物流全体の無駄を省き効率を高める戦略を練ったうえで実行します。そのため、物流コストの削減が期待できます。
2つ目は、固定費を変動費にできるという観点からです。自社で物流を構築する場合は、ドライバーや倉庫スタッフや倉庫代などの固定費が毎月発生してしまいますが、3PL事業者に物流業務を委託すれば変動費にすることが可能です。繫忙期と閑散期で荷量に大きなギャップが生じてしまう場合でも、3PLであれば荷量に応じたコストで対応できます。適切なコスト管理が可能になり、物流コストの抑制が期待できます。
3PLの導入は、納品リードタイム短縮という点でも期待ができます。
3PL事業者が持つ専門的な知見やITシステムによる客観的な観点から、効率の良い配送計画や活用すべき最適な物流拠点を導き出してくれるためです。
また、ITシステムによる倉庫業務や配送業務の見える化により、誤配や遅配などのミス削減も期待できます。
物流拠点最適化とは?集約・分散のメリット/デメリット、検証の重要性
3PL事業者に物流業務を委託することで、自社のスタッフは実務的なところからは手が離れることになります。これはメリットである反面、自社に物流業務のノウハウが蓄積されにくくなるという点ではデメリットになります。
物流現場の管理や運用などは3PL事業者が行うため、業務の細かい部分までは把握が難しくなってしまいます。特に現場の運用部分や改善課程はブラックボックス化しやすく注意が必要です。
「なぜ現状の運用方法になったのか」といったことが見えず、将来的に自社で物流業務を巻き取ろうとした際には問題点となってしまう可能性があります。これを避けるには、物流現場に定期的に赴いたり、3PL事業者との情報共有を頻繫にしたりといったことが重要となります。
3PLサービスの利用により、イレギュラー対応へのスピードが遅れてしまう可能性があります。
例えば、商品について顧客からクレームがあり返品対応を行うといった際。自社物流であれば自社のトラック・ドライバーとなるため融通が利きますが、他社となれば勝手が異なりスムーズにいかないこともあります。
イレギュラーへの対応スピードが遅くならないようにするためには、3PL事業者とのイレギュラー時の対応方法の取り決めを契約書に盛り込んでおく、その仕組みを確立しておくなどが重要となります。
3PLとは、荷主企業に代わって、最も効率的な物流戦略の企画立案や物流システムの構築の提案を行い、かつ、それを包括的に受託し、実行するサービスのこと。
大きな特徴は、戦略立案から実務の実行までを一手に担う、という点であり、全体最適を目指し包括的に物流業務を行うのが3PLとなります。これにより荷主企業は、コア業務に集中できるほか、物流コスト削減、納品リードタイム短縮などが期待できるようになります。
また、3PLは大きくは資産を持つアセット型と資産を持たないノンアセット型に分かれます。一概には言えない面もありますが、アセット型は対応スピードやサービス品質の安定といった点で優位性があり、ノンアセット型は荷主企業の要望に柔軟に応えやすいといった点で優位性があります。
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