初心者向けかんたん物流コラム
2025年4月30日、点呼告示の改正により、業務前自動点呼が制度化されました。
業務前自動点呼の導入は、ドライバーの酒気帯び確認や健康状態の確認、これらの記録などを自動化できることから、運行管理者の業務負担を軽減させるものとして期待されています。
当記事では、業務前自動点呼の制度化に至った背景、導入メリット、実際の運用が始まる時期などについて解説していきます。
※当記事は、2025年9月1日時点の情報をもとに作成しています。
目次
業務前自動点呼とは、国土交通省の認可を受けた点呼機器を使用して、自動で行う業務前点呼のことです。点呼に関する告示が2025年4月30日に改正され、制度化されました。
もともと、運送事業者には業務前点呼と業務後点呼の実施が義務付けられており、業務後については2023年1月から点呼機器による自動点呼の運用が始まっています。しかし、業務前の自動点呼は制度化が遅れていました。
国は制度化に向けて、2023年度から実証実験などを開始。2024年度には先行実施、それを踏まえた要件検討。そして2025年4月30日に点呼告示が改正され、業務前自動点呼が制度化されました。
業務前自動点呼が制度化された背景には、運行管理者の負担軽減、運行管理者不足への対応などがあります。運行管理者は業務が多岐にわたることに加え、担い手が少ないことでもその負担をさらに増大させており、ITの活用による省力化が必要となっているのです。
また、国土交通省による「運行管理高度化ワーキンググループ」が行った業務前自動点呼の先行実施に参加する事業者への調査では、業務前自動点呼に取り組む意義として、「点呼執行者の深夜、早朝、休日の労働時間削減」の回答の次に「点呼の確実性向上」の回答が多くありました。業務前自動点呼は、点呼漏れ・記録ミスなどを防ぎ、点呼の確実性を向上させるものとしても期待されています。
出典:国土交通省「令和6年度 第3回 「運行管理高度化ワーキンググループ」、業務前自動点呼の制度化に向けた最終とりまとめについて」
業務前自動点呼の導入メリットとしては、「業務負担の軽減」「コンプライアンス強化」「人的ミスの防止・確実性向上」などが挙げられます。順にご紹介していきます。
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1つ目は、運行管理者の業務負担の軽減です。業務前自動点呼を導入することで、日々の業務前点呼に関するドライバーの酒気帯び確認や健康状態の確認、加えて記録などを点呼機器に代替できるようになるためです。
運行管理者の業務負担を大幅に軽減させることができ、労働時間の削減、労務コストの削減なども期待できるようになります。
2つ目は、コンプライアンス強化です。自動で点呼データが記録がされていき不正・改ざん防止に寄与したり、複数拠点のデータを一元的にリアルタイムに確認できるようになったりするなど、点呼の透明性が図られるためです。
また、点呼データが取り出しやすくなり、監査時の対応もしやすくなります。
3つ目は、点呼業務に関する人的ミスの防止・確実性向上です。人が行う点呼では、点呼の実施漏れや記録漏れ、ドライバーの健康状態の異常の見落としなどが懸念点となってきますが、業務前自動点呼を導入することで、これら人的ミスに関わる部分を防止することができます。
また、人が点呼を行う場合、点呼担当者の健康状態・精神状態によっては、ミスが起こりやすくなるといった状況があるかと思います。一方で、機器を用いた点呼であれば安定した精度のもと点呼を日々行っていくことが可能です。こうしたことから、点呼の確実性向上といった点でもメリットが期待できます。
すでに現場への業務前自動点呼の導入が可能な状況となっています。本格的な解禁という意味合いでは、国土交通省から運用通達が発出されることが必要でしたが、8月7日付けで通達がありました。
国土交通省から認定を受けた認定機器も出揃い始めており、業務前自動点呼を行うための環境は整い始めています。
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