初心者向けかんたん物流コラム
2021年1月にライナロジクスが新たにスタートさせた「LYNA(ライナ) 荷姿数量予測」。これは、日々変動する発注量に対しどのような荷姿でどのくらいの数量になるかを素早く算出する、AIによる学習機能を使った全く新しいサービスです。出荷当日、想定以上のカゴが出来上がってトラックに積み込みきれなかったり、あるいは逆に車両を手配しすぎて積載率が低くなってしまったり、そういう困った状況、よくありますよね?「LYNA 荷姿数量予測」はこうした物流の「無理」や「無駄」をなくすことを目的に誕生しました。今回はこの新サービス、「LYNA 荷姿数量予測」について詳しくご紹介させていただきます!
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目次
まず、なぜこのようなAIサービスが必要になったのか、「LYNA 荷姿数量予測」を開発した背景をご説明します。たとえば、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの共配センターを思い浮かべてください。毎日、本部には各店舗から多種多様の商品の大量の発注が届きますよね。当然ですが、この発注内容は日によってバラバラ。特売に合わせて特定の商品だけが大量に発注されるようなこともよくあります。物流センターでは、日々、こうした発注に対応して各店舗への荷物を仕立ているわけですね。
しかしこのとき、ひとつ頭の痛い大きな問題があります。各店舗の発注内容は分かっても、それがどれだけの荷量になるのか?が簡単には分からないのです。たとえば、ある店舗からの発注に対して、大型番重が何枚で中型番重は何枚、というように、トラックで輸送する際にどのような荷姿と数量になるのか、これは実際に荷揃えしてみないと正確には分からないのです。忙しい物流現場では、荷揃えはトラックに積み込むギリギリ直前まで、同時並行で行うのが普通です。だから、いざ荷物が揃った段階でトラックが足りない!多すぎた!と分かってももう手遅れです。
それだけに、出荷量の「読み」は物流センターにとって死活問題です。多くの現場では熟練のベテランの方が、翌日の発注データを見て長年のカンで物量を読んでトラックを手配していることと思います。しかし、このようなことは誰にでも簡単にできることではありません。このような「読み」の正確さは個人差も大きいです。読みが外れてトラックを緊急で手配したり、逆に手配しすぎて低い積載率で出荷する、なんてことが頻発すると、センターの利益はあっという間に吹き飛んでしまいます。
誰でも簡単に、正確に、翌日の発注状況に基づいて物量を予測できるようにならないだろうか? この悩みを解決するために誕生したのが「LYNA 荷姿数量予測」です。たとえば、もし、あなたの代わりに商品ごとの荷姿や大きさを覚えておいてくれる便利な小人がいて、発注データを受け取ったら頭の中でパパッと荷揃えして、番重数やカゴ数を教えてくれたら最高ですよね。まさにこの「小人」として現場の方々をサポートするサービス、それが「LYNA 荷姿数量予測」です。
従来、このような出荷量の予測をするためには、面倒な商品サイズのマスター作りが必須でした。商品マスターをExcelで作成して商品ごとの積載数や荷姿の大きさを登録しておき、注文情報と照らし合わせて番重数やカゴ数を計算する、というやり方ですね。センター独自でこのような工夫をしているところも多いと思います。
しかしこうしたマスターは作成も大変ならメンテナンスはもっと大変です。精度の高い出荷量計算をするためには、日々登場する新商品のデータを忙しい業務の合間を縫って入力していかなくてはいけません。時間と労力をかけられず、メンテナンスがおろそかになってしまうと、どんどん精度は落ちていってしまいます。
さらにもう一つ、マスター方式には重大な限界があります。商品ごとの「積み合わせ」を考慮できないという問題です。マスター方式では、「ある商品は番重に詰めると最大でいくつ入るか」という「積載数」が物量算出の基準になります。しかし、積載数が100個のおにぎりと積載数が100個のパンを50個ずつ同じ番重に詰められるか、といえばそうはいかないですよね。形状や仕切りを考えると、積載数だけでは正確な物量は算定できないのです。
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この問題を「LYNA 荷姿数量予測」は最新のAIアルゴリズムを用いた機械学習で解決しました。過去の実績の発注内容とそれに対する物量を賢い「小人」が自分でどんどん学習し、この発注内容だとどのような荷姿でどれくらいの数量の出荷になるか、自動で考えてくれるのです。
通常のAIでは、このような学習を行うためには膨大な、それこそ何年分もの学習データが必要でした。しかし、私たちは流通現場のデータの特徴を分析して物流現場に特化したAIを作り上げることで、わずか7日分の実績データを学習するだけで高い精度の予測を行うAIアルゴリズムを実現しました。実際には7日どころか、たった3日分の学習データだけからでもそれなりの予測を行うことが可能です。
もちろん、使い続けていけばどんどん小人は賢くなり、精度が上がっていきます。この小人は本当に賢いので、学習を積み重ねていくことで新発売の商品にさえ対応することができるようになります。新商品に対しては、過去の同種のカテゴリの商品の傾向を分析し、実績データがなくてもちゃんと予測を行ってくれます。
物流や流通のように変化が激しい業界では膨大な学習データを準備するのは難しいため、AIの活用はあまり進んでいないのが現状です。このような状況でも、実際の現場で本当に役に立つAIを作っていきたい、というのが私たちの思いです。
「LYNA 荷姿数量予測」も、そうした長年の研究開発の中から誕生しました。匠レベルの物流のプロの方々から見れば、まだまだ物足りない部分もあるとは思います。しかし、検証にご協力いただいたお客様の現場の感触では、誰でも安定して日々、高い精度で物量の「読み」を行っていくための強力なパートナーになると心強いご評価を頂いています。
また、予測できるのは物量だけではありません。強力で汎用的な学習エンジンを備えているので、物量ではなく直接、方面別の車両台数を算出させたり、あるいは庫内作業者の人数を見積もったり、と幅広い用途に導入することが可能です。
皆様のアイデア次第では、きっと「LYNA 荷姿数量予測」にはまだまだ私たちも考えもしなかった使い方があるのだと思います。ご興味をお持ちになりましたら、是非、お気軽にお問い合わせください。私たちと一緒に新しい物流、流通の世界を切り開いていきましょう!
弊社の自動配車システムは、物流にかかわる事業者様に広くお使いいただけるよう、
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