WMS（倉庫管理システム）とは？3つの主要機能や効果について解説

WMS（倉庫管理システム）とは、物流倉庫内のモノ（在庫）や物流倉庫内で行う作業にかかわる情報を一元管理できるシステムのことです。

WMSを活用することで、在庫精度の向上や倉庫内作業の標準化など、複数の効果を得ることができます。

当記事では、WMSについて詳しく解説していきます。

WMS（倉庫管理システム）とは？

WMS（倉庫管理システム）とは、物流倉庫内のモノ（在庫）や物流倉庫内で行う作業にかかわる情報を一元管理できるシステムのことです。

WMSは主に、入荷管理、出荷管理、在庫管理などの機能を有し、これらの機能を活用することで、在庫精度の向上や倉庫内作業の標準化・効率化などの効果が得られます。

また、これらの効果に加え「入荷後の在庫がいくつで、出荷後は在庫がいくつになっているか」という倉庫内の在庫数をリアルタイムに把握できるようになるのも特長です。

ちなみに、WMSは「Warehouse Management System」の頭文字からとられた略称です。

WMS（倉庫管理システム）で管理する在庫は「実在庫」or「理論在庫」？

在庫の種類は大きく分けて、倉庫内にある在庫を実際に数えた数量である「実在庫」と帳簿上の数量をもとにした「理論在庫」の2種類がありますが、WMSで管理するのは実在庫です。

WMSでは倉庫内の実在庫を管理していきます。

WMS（倉庫管理システム）の主な3つの機能

WMSは主に、入荷管理、出荷管理、在庫管理などの機能を有しています。これら3つの機能について解説していきます。

WMSの機能1.入荷管理

入荷管理機能は、入荷予定や入荷実績などの記録・管理ができる機能です。

商品入荷時には、あらかじめWMSに登録しておいた入荷予定データと、実際に入荷してきた商品とをハンディターミナルなどを使いながら突き合わせをし、在庫として計上していきます。

WMSの機能2.出荷管理

出荷管理機能は、出荷指示や出荷実績などの記録・管理ができる機能です。

商品出荷時には、WMSに取り込んだ出荷指示データと連動したハンディターミナルなどを使って、出荷指示データと出荷商品の突き合わせを行い、出荷を確定させていきます。

出荷指示に基づいたピッキングリストや、納品書・送り状の作成がかんたんにできる機能なども付いています。

WMSの機能3.在庫管理

在庫管理機能は、在庫品に関わる情報の記録・管理ができる機能です。

在庫品の種類や入荷日、入荷数、状態、有効期限、ロケーションなど、在庫品に紐づくあらゆる情報の記録・管理ができます。

WMSの活用で得られる主な3つの効果

WMSは複数の効果をもたらしてくれるシステムです。なかでも特筆すべき3つの効果について解説していきます。

WMSの効果1.在庫精度の向上

WMSを活用することで、在庫精度の向上を図ることが可能となります。WMSで在庫管理を行えば、詳細な在庫情報や入出荷の履歴などが可視化されたり、実在庫をリアルタイムで管理できたりするためです。

従来の台帳や表計算ソフトでの管理の場合、記入漏れや記入ミス、さらにはリアルタイムでの更新が難しく情報にタイムラグが発生してしまうといった点などが懸念点でした。しかしながら、WMSであればこのような懸念点を解消でき、在庫精度の向上を図ることが可能となります。

WMSの効果2.倉庫内作業の標準化

WMSは倉庫内作業の標準化にも効果を発揮します。WMSを活用すれば、データに基づいた作業が行えるようになり、作業フローや効率的な作業方法が明確になるためです。

例えば、最短距離でピッキングが行える一筆書きのピッキングリストなどもWMS上でつくることができます。そのピッキングリストに沿ってピッキングをしていけば誰でも効率良く確実に作業を完了させることができます。

従来であれば、「どこになにがどれだけあるか」「どのようにしてピッキングをしていけば一番効率が良いか」などは、商品知識や作業知識、経験などがモノをいう部分でありベテラン作業員にアドバンテージがありました。しかしながら、WMSを活用することで、経験や知見がモノをいう作業も標準化させることが可能となります。

WMSの効果3.倉庫内作業の効率向上

WMSは倉庫内作業の効率向上にも大きく寄与します。例えば、一筆書きのピッキングリストがあればピッキング作業の効率向上が期待できますし、出荷検品を目視によるものではなくハンディターミナルによるバーコード照会で行えば出荷検品の効率向上が期待できます。

また、目視で行う検品やエクセルへの手入力作業など人手に頼った作業が減るため、人的ミスの削減も期待できます。

WMSとTMSの活用・連携で物流最適化へ

WMSは物流倉庫内のモノや物流倉庫内で行う作業にかかわる情報を一元管理できるシステムであり、TMSは輸配送にかかわる業務の情報を一元管理できるシステムです。このように、双方のシステムは前後関係にあり、WMSでは前工程部分を、TMSでは後工程部分をカバーすることができます。そのため、双方のシステムを活用することで、物流のより広い範囲で生産性向上を図ることができます。

また、WMSとTMSを連携すれば、倉庫業務から輸配送業務までをシームレスに管理することができるようになることから、管理業務の業務効率向上やミス削減も期待できます。

まとめ：WMSは倉庫内作業の属人化や誤出荷、配送遅延などの対策・解決に有効

WMS（倉庫管理システム）とは、物流倉庫内のモノ（在庫）や物流倉庫内で行う作業にかかわる情報を一元管理できるシステムのことです。

主な機能は入荷管理と出荷管理と在庫管理の3つ。それぞれの機能を活用することで、在庫精度の向上や倉庫内作業の標準化・効率化などの効果が得られます。

そのため、WMSは倉庫内作業の属人化や誤出荷、配送遅延などの対策・解決に有効なシステムであるといえます。

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