【社長コラム】

ロジスティクスAI 戦略のポイント

2020年、社会の潮流と物流業界

From:朴成浩

新年、明けましておめでとうございます。
皆様におかれましては輝かしい新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。

2020年がついにやってきました。

「2020」といえば、もちろん東京オリンピックですね。
世間的にも、私たちの業界としても大きなインパクトがある一大イベントです。

渋滞や交通規制、旅客・貨物両面での突発的な需要の増大など、いろいろと頭の痛い課題は多いですが、過去に経験のない状況というのは、逆に言えば「今までにやったことがない新しい施策にチャレンジする絶好のチャンス」とも言えます。
オリンピックの成功を私たちの発展にも結びつけられるよう、業界全体でがんばっていきましょう。

さて、日本ではまずはオリンピックですが、世界的に見れば2020年、そして2020年代はどのような時代になるでしょうか?


「個人」から「社会」へ


未来を予想することはもちろん困難です。
しかし、どのようなコンテクストの下で物事が動いていくかを理解することはできます。

たとえば、いま話題の「モビリティ革命」も、あるいは2030年を見据えた様々な環境規制も、根底にある大きな流れを踏まえると、その必要性と重要性をよりよく理解することができます。

次の10年で重要になる世界的なトレンドとは一体、何でしょうか?
それは「個人から社会への回帰」です。

20世紀が、プライベート、つまり、私企業も含む「私」の権利が拡大していく時代であったことは疑いないでしょう。
その結果として、個人の幸福が尊重され、また個人が幸福を、もっと平たく言えば自己利益を追求することが当然のこととして認められる素晴らしい世の中が実現し、広がったわけです。

しかし、無制限に「私」同士が競い合って追求すれば、争いや格差、資源の枯渇、環境の荒廃など、様々な問題がエンドレスに生じるのも自明のことです。
ネットで世界がつながって以降、尚更、その限界を、世界的に多くの人々が感じるようになりました。

20年が経ち、もはや完全に20世紀は終わったのです。
さて、では私たちはどう生きれば良いのでしょうか?

「私」の幸福追求は絶対的な価値として尊重しましょう。

これは多くの血を流して人類が獲得した素晴らしい価値です。

でも、その追求の仕方においてはルールと管理を導入しましょう。

つまり、「全体最適」を目指すということです。

この発想が間違いなく、現在起こっている様々な社会的変化の根底にあるものです。
「GAFA規制」や「サステナビリティ」、そうしたテーマもこの文脈で捉えるとよく理解ができます。

あるいは、身近なところで「働き方改革」。

昔の考え方でいえば、これは基本的には企業と就労者(あるいは労働組合)という「私」と「私」の間の問題です。
実際、昭和世代で飲み会などをしていると、全員一律で画一的なルールを導入するなんて余計なお世話だ、なんて愚痴で盛り上がったりするわけですが、もはやそれは古い感覚です(自戒を込めてます笑)。

私人とはいえ、私企業とはいえ、世の中のために自分たちはどうあるべきか?
たとえば企業であれば、自己利益だけでなく従業員、顧客の幸福まで含めた全体最適を発想の原点に持っているのか?

メチャクチャ綺麗事になりますが、そういう感覚がないとこれからの世の中の主流にはなり得ない。
そんなことをますます強く感じています。

皆様とともに、幸福を最適化する10年にしたいと思います。


ライナロジクスの新たな挑戦


このまま締めるとあまりに綺麗事すぎるので、最後に宣伝めいたことも書かせて頂きますと、「全体最適」が重要、ということで、まさに我々の時代が来たか!という自負はありますね。

「全体最適」・・・言うは易しですが、実現は困難です。
アルゴリズムとコンピューティングパワーが重要です。

アルゴリズムについては、ロジスティクス業界の最適化に取り組み続けて20年。
それでもまだまだ山の一合目くらいな感覚ですが、しかし、それでも今や、確実に私たちが世の中の役に立っている領域はあります。

コンピューティングパワーについても、最近は「量子コンピュータ」という面白いものが出てきましたね。
実は、量子計算自体はそれこそ私が学生の時代くらいから出てきた話で、当時は「こんなものの実機なんて遠い未来の話だろう」と思っていました。

率直に言って、現時点の量子コンピュータ自体はまだまだ到底、使い物になるようなものではありません。
しかし、世界中の人類の全体最適、そこまで大げさでなくても、日本中のモビリティの最適計画の立案などの巨大な最適化問題に立ち向かうためには、現在の計算機技術とは異次元の計算機パワーが欲しいのも事実です。

最近では、いろいろと「遊べる」環境が充実してきているため、我々もロジスティクス最適化に取り組んできた知見を活かし、この分野でも社会の発展に寄与していければと思います。
今後の私たちの活動を楽しみにしていてください!


2020年1月
株式会社ライナロジクス
代表取締役 朴成浩


弊社の自動配車システムは、物流にかかわる事業者様に広くお使いいただけるよう、
物流現場で見られるあらゆる制約・条件に対応しております。

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