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2018.10.23

これからの3PLビジネスに勝機はあるか


【花房先生執筆コラム】SCM実行系スマートロジスティクスのススメ 第5回


これからの3PLビジネスに勝機はあるか


物流アウトソーシングがニュースになったのは遠い過去のことだ。今や物流子会社解体と本体への吸収、フルアウトソーシング解消と物流自営化が話題に上がる様になった。それはどんな背景によるものかを整理しながら、これからの3PLビジネスの将来像を予想してみたい。


物流コストが不明だった時代


そもそも勘定科目には物流関連経費の明細がなく、各社ともに物流コストを下げたいと願っていても、現状規模すらわからない時期が長く続いた。運送業務を委託すれば運賃請求書が届き、営業倉庫に製品を寄託保管すれば、保管費が請求される。合わせれば物流コストかといえば、業務を管理する人件費用や営業や生産工場における専門部署の費用も情報システム費用も含まれるだろうから、自社の物流コストは依然として暗闇にあった。

唯一頼みの情報はJILS(日本ロジスティクスシステム協会)のアンケート報告であったが、調査母数がわずか200社では自社と同じ業界がなく、あっても規模が異なり比較することができなかった。(毎年の調査報告で売上高物流コストは5%を下回るといわれている)


物流子会社、アウトソーシングの時代


 コスト削減の基本情報を集めるために、物流業務をまとめて専門事業部やアウトソーシング先に委託する方法が賢明だった。要員、倉庫物件、輸送サービス、情報システムその他の費用をすべて事業部や関係会社に移管することで、物流コストの全貌が初めて掌握できるようになった。また、総合物流企業も輸送と保管をあわせて請け負うビジネスがスタートしていた。

コストがわかればあとは抑制するために契約条件を操作すれば足りる時代が長く続き、物流事業者のコンペによる新旧交代や倉庫統合・移転が続く30年はあっという間に過ぎていった。


コストが下がらず、契約リスクが表出する時代


物流コストの単価は運賃、人件費、倉庫賃料に代表され、それらはオープン価格で比較調査が可能になっている。物流単価は最低限度まで下がっており、値下げ競争も30年続けば終点が見えた。下げ止まったコストの反動として、リスクの顕在化が問題視されるようになる。コンペで事業者を比較すれば「やらないコスト」が目立つようになり、リスクマネジメントや保険料、法定点検費用まで手を付ける有様となり、一度事故が起きれば委託責任を問われるから、アウトソーシング解約が徐々に進んできている。物流子会社の解散吸収も同様の論理だった。


3PLビジネスの基本デザイン


物流単価は下げ止まったが、総額では規模と範囲の経済性を追求する物流改善は十分に残っている。そのチャンスを実現するグランドデザインは
●物流波動を吸収
●負荷山崩し
●共同保管、共同輸送
●在庫管理と発注代行
●需給一体伝票レス
●同業種サプライチェーン一体化
●決済代行、資金提供、システム販売
などと多岐にわたり、ただの物流請負とは全く異なる視点を目指すものだ。
圧倒的な要員・倉庫規模を目指すように複数事業者を束ねて共同管理を行い、しかも波動を回避するために異業種商材も取り入れる。(月末集中を避ける)物流管理のシステムは営業部門と直結する受注管理と生産管理までもカバーする需給機能を基本とする。受注段階で即座に配送計画や車両手配を行えば、配車業務の負荷を下げることができる。

規模拡大によってオーバーフローというキャパシティリスクを回避することができ、システム投資の負担も軽減できる。要員のシフト態勢や融通も業種商材をまたがれば容易になるだろう。規模拡大に伴い在庫融資や代金回収ファクタリングなどを金融機能として、顧客サービスに織り込めれば顧客の固定化と長期安定化に向かうだろう。


そんな理想形がすでに存在する


今やネット通販のガリバーとなったAmazonは、巨大物流センターを全国に配置して倉庫業、自営運送、総合物流業としてFBA顧客を抱えた物流会社ともいえるのだ。その他にも超大規模物流企業の施設はあっても、その内情は単一企業や業種の過剰在庫にあふれているだけである。物流活動は常に過剰在庫と隣り合わせでその解決策を模索しているのだ。むしろ中小物流事業者のほうが様々なサービスを展開しており、特化した産業を支えているようだ。目指すべきは生産から流通・販売までのサプライチェーンをなるべく取り込んだ、在庫コントロールを行える異業種同業界の一括物流が条件を満たすだろう。受注・生産・販売・代金回収・顧客管理と販売促進まで手広く行うサービスはついこの前までは全く存在していなかったのだ。これからの3PLビジネスはAmazon研究によって活路を拓くことができる。



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本コラムは書籍『スマートロジスティクス ~ IoT と進化する SCM 実行系~』発刊を記念して、
監修者である花房 陵先生にご執筆いただいています。
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++花房 陵


1978年慶大経済学部卒
経営・物流コンサルタントとして30年以上の豊富な実績をもち、
28業種200カ所以上の物流現場を指導してきた。
異業界などの最新トレンドの物流施策を導入・定着させる手腕には定評がある。
ロジスティクス・トレンド(株) 代表取締役、
(株)イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント、
協同組合物流情報ネット・イー相談役、ほか多数の物流顧問を務める。


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