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2018.07.25

在庫はなぜ減らないか~スマートロジスティクスなら可能なのに~


【花房先生執筆コラム】SCM実行系スマートロジスティクスのススメ 第2回


在庫はなぜ減らないか

~スマートロジスティクスなら可能なのに~




在庫と現金、どちらが大事か?


現金1億円と商品在庫1億円では、どちらが経営に有効だろうか。キャッシュフロー視点では、<絶対に現金、なぜなら商品価値は陳腐化するし、売掛金は精算されるまでの期間がリスクになるからだ>という意見が太宗を占めることだろう。

筆者は商品在庫1億円に有利があると信じている。販売活動が行われれば直ちに生産と購買が連携し、取引先にはその商品をきっかけにした「連続する販売、生産、購買」活動が引き起こされる。 これは、産業連関でいう経済波及効果につながるから、自社の商品が社会や他社の富を生み出すことになる。 これこそが善の循環であり、経済人が心がけることだ。

現金1億円は溜め込まれれば、ゼロやマイナスの金利しか生み出さない。 現金に価値も効果もないのがデフレ社会の特質であり、将来不安の保険にしかならない。内部留保を貯め込むことは、守りの姿勢だと言える。
(1億円を直ちに投資や消費に使えば、同じく波及効果は生まれるがその対象は限定的である)

それなのになぜ在庫が罪庫とまで書かれて罪悪視されるのか、その理由を正しく理解できているだろうか。

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在庫を扱うのが物流部門の仕事だから、在庫削減や抑制は物流活動と思われているが、それは明らかな勘違いである。

ロジスティクスや物流活動の使命とされている、<必要なときに、必要なものを、必要な量だけ>という「必要」という判断は誰がどのような基準で、何を根拠に下しているのだろうか。更には、正しい意思決定の基準とは一体何なのか。ここに焦点を当てなければ、賢い物流=スマートロジスティクスを実現することは出来ない。

「売るためには陳列上の多色展開が必要なので、新商品開発を要請する」
「海外生産事情から、大量生産が必要であり、だからこそコストダウンが実現できる」
「過剰在庫とみなす基準値は当社にはない、販売時期の相違である」
「商品在庫も資産勘定であり、社歴・年商・業種からみて、資産拡大は歓迎すべきである」

というような論理が跋扈しているために、在庫日数は10日、25日、30日以上無限大まで、<明日売る以上の在庫>がどの企業にも鎮座している。明らかに層別された10日、25日というのは、生産計画のメッシュが12月次と52週次である点に見られる。

また、在庫問題と欠品対策は究極の営業利益に直結する研究成果も明らかになっている。
欧米世界と日本の店頭欠品率の違いは、<緻密さと大らかさ>で語られることが多いが、実は利益率との相関が強いのだ。 欠品を予防するために在庫安全係数を日本では2.3に設定するが、そのために利益率は低い。 欠品を8%まで許容することが最大利益となることが明らかなのにである。
在庫三悪(欠品、過剰、不良)の原則を問うまでもなく、在庫を巡る各部門の見解は在庫削減の総論賛成、各論異論というのが実態であろう。 売れ筋商品は常に欠品の不安があり、生産と購買は督促業務に追われている。 非定番化したかつてのヒーロー商品も、依然としては根強い需要があると見込まれて欠品を恐れるために、廃番にできない。 販売活動では常に波動と流行、不易が交互に訪れるために新商品要請が強く、色違い、サイズ違い、価格違いの僅かな違いの「新」商品たちで在庫はふんだんに増えてゆく。

生産や購買のコストダウン要請も強いために、分かってはいても大ロット、まとめ購買、販売計画の情報修正を期待した生産計画になりがちであって、 こちらも在庫が増える要因となる。
困るのは、こんな積極的な姿勢での業務態度は人事業績評価や報奨の条件となり、売上拡大と原価低減の裏にひそむ在庫膨張の影響を感じる責任者が不在なのだ。



在庫削減は経理財務の役割ではないか


井原隆一著『財務を制するものが企業を制する』という名著は、経営の本質が財務にあること、企業はコスト塊であり、それを賄い制するのは財務理論であることを主張している。

年に数度の決算在庫棚卸業務の最高責任者は財務担当役員であり、作業員の手当や弁当の手配まで細部まで口を出す。 しかも在庫予想や見込みに合わせて、増加を毛嫌う傾向がありながら削減の手段を持っていない。 社内広報や告知だけでは、従業員評価と報奨につながる在庫削減には到底届かない。

そこで、在庫削減の責任者を任命して成果報酬を定めるような取り組みが必要になる。 それがSCM部門であっても良いが、総論賛成各論反対の事態を乗り切るために正確で迅速な在庫情報が必要である。 販売責任、原価責任、在庫責任の3つを統合して始めて経営責任を果たしていると言えよう。経済波及効果の原点なのである。

WMSの高度利用によって、「必要なものを運ぶための在庫」状況が瞬時に判明する。
それは輸配送計画や納品管理と連携することで、自社の売上と得意先への経済波及効果に貢献することになる。
いわばWMS&TMSの一体化があるべき姿なのだ。



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本コラムは書籍『スマートロジスティクス ~ IoT と進化する SCM 実行系~』発刊を記念して、
監修者である花房 陵先生にご執筆いただいています。
書籍の中から特に今の時代に重要なテーマをピックアップしてご紹介いただく予定です。

今後も次のような興味深いテーマについて取り上げていく予定ですので、
是非、楽しんでご購読いただければと思います。

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++花房 陵


1978年慶大経済学部卒
経営・物流コンサルタントとして30年以上の豊富な実績をもち、
28業種200カ所以上の物流現場を指導してきた。
異業界などの最新トレンドの物流施策を導入・定着させる手腕には定評がある。
ロジスティクス・トレンド(株) 代表取締役、
(株)イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント、
協同組合物流情報ネット・イー相談役、ほか多数の物流顧問を務める。


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