【社長コラム】

ロジスティクスAI 戦略のポイント

システム化できるかの見分け方 ~人工知能が必要になるケースとは?~


From:朴成浩


最初に、、、


完全に本題と関係ない話ですが、今日は、コラムの見栄えが今までと変わったことにお気づきでしょうか? 実は本日は皆様に一点、お願いがあります。今までのコラムはスマホを意識して縦長で書いていました。ですが、その方がかえって読みにくいのではないか?という意見もあり、今回のコラムは段落の形式を横長に変えています。

いかがでしょう? 前回と今回、どちらが読みやすいでしょうか?


ぜひ、下記のボタンから投票をお願いします。

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人工知能型のアプローチが必要になるシステム開発とは?



さて、では本題ですが、これまでにお話ししてきたように、人間が勘と経験で行っている業務のシステム化は今までは失敗ばかりでした。こうした従来のシステム開発のアプローチが苦手とする業務には一つ、大きな特徴があります。


それは「結果を得るまでの手順が明確でない」ということです。


結果を得るまでの手順が明確でないし、明確化しようとしてもルールに落とせない。ルールや手順を見つけようとしても、例外が次から次へと現れてキリがない。こういう特徴がある業務は、従来のシステム化のアプローチではうまくいきません。


では、今、目の前にある問題が従来の手続き型のプログラムになじむタイプのものなのか? あるいは、人工知能型の新しいアプローチが必要なタイプの業務なのか? これをどうやって見分ければ良いのでしょうか?


実は、これを見分ける非常に簡単なガイドラインがあります。「例外の例外」レベルを見るのです。目の前の業務を手順化しようとしたとき、「例外の例外」がどれだけの深さで出てくるか、ここを見ればその業務がルールの積み重ねでシステム化できるかどうか分かります。


大まかに言って、例外の例外のそのまた例外が出てくるくらいの時点で、その業務は手順化できないタイプの問題かもしれない、と疑った方が良いでしょう。例外の例外のそのまた例外のまたまた例外のさらなる例外というように、「例外の例外」が5レベル以上にもなるようなら確実に手順化は不可能です。


なぜ、そんなことが言えるのでしょうか?


それは、そのような深いレベルの「例外の例外」が存在する課題については、そもそも人間自体がルールの積み重ねで判断を行ってはいないからです。


よく、人間の頭が一度に覚えられるのは7個まで、という話をしますよね。でも、あれはレベルが同一のアイテムについての話です。


人間の頭は階層構造にはさらに弱いのです。たとえば、「裏の裏を読む」と言いますよね。どんな難しい推理小説でもせいぜい「裏の裏のそのまた裏」くらいです。「裏の裏のそのまた裏の裏」とかになると、もう大抵の人は頭がついて行かないからです。



「ドラえもん」で考える“人間の頭の限界”



直感的に把握できて、直ちに判断を下せるのはせいぜいが3レベルくらいが限界でしょう。それ以上の知的処理になると膨大な訓練による「自動化」、いわゆる体に覚えさせることが必要です。


意外に思われるかもしれませんが、将棋の羽生さんでも、広く、つまりあらゆる可能性について盤面を読むのは5手先くらいまでだそうです。それ以上先の展開を、つまり、5レベル以上の階層構造の展開を全て追いかけるのは羽生さんでも難しい、ということです。


ただし、意味のありそうな展開、つまり、自分はこう指す、相手はこう返す、自分はこう返す、相手はこう返す、という、いわゆる「直線的な読み」についてはプロ棋士なら優に100手以上は読めるそうです。


直線なら100手読めるのに、広く読もうと思うとたった5手でも難しい。選択肢が爆発的に増えていく階層構造というのは、それだけ厄介なものなんですね。


俗に「ねずみ算」と言いますが、1匹のネズミが10匹の子供を産んで、その子供たちがまた10匹の子供を産めば10×10=100匹の孫ができるわけです。これが、たった2レベルの階層で直線の100手先を読むことと同じような難しさになってしまう仕組みです。


このように、たった数回の手順の組み合わせでさえ、検討しなくてはいけない選択肢が爆発的に増えてしまう、これを「組み合わせ爆発」と言います。


ちなみに全く余談ですが、私がはじめて「組み合わせ爆発」の恐ろしさに出会ったのは「ドラえもん」でした。確か「バイバイン」という名前だったと思いますが、この魔法の薬を饅頭に振りかけると10分(あるいは15分だったかも?)ごとに饅頭が倍々に増えていく、というお話です。で、ドラえもんの計算によると1日かそこらで饅頭で地球が埋め尽くされるらしく、最後は饅頭は宇宙に放逐されたのですが、子供心に今度はすぐにでも宇宙を饅頭が埋め尽くしてしまうのではないかと恐怖した記憶があります。この話は「ドラえもん」の中でも結構、人気のエピソードで、人気投票でよく「いちばん怖かった話」に選ばれていたりしますね。


ちなみにさらなる余談ですが、もしあなたがこの10分ごとに倍々に増殖して地球を埋め尽くしていく饅頭のイメージを頭に思い浮かべて、ものすごく怖いと感じたならおめでとうございます。あなたはAタイプの人間です。世の中には、Aタイプかそうでないかの2種類の人間がいて、Aさんはこういう異常なスピードで物が増えたり巨大化していく現象に対して強烈なインパクトを感じるようです。これはある種の脳の不具合である、という説を聞いたことがあります。全くどうでも良い話で恐縮ですが。


さて、こんな感じでちょっとした手順の組み合わせでも膨大な選択肢になってしまう組み合わせ爆発ですが、その真に厄介な点は、「単に」選択肢が莫大な数になることではないのです。


と、さすがに長すぎるので今日はこのあたりで切り上げて次回に続けたいと思います。


* * *


が、それにしても今回はせめてメタヒューリスティクスまでたどり着こうと思っていたのですが、何というか、回を重ねる度に混迷の度合いが深まっていくような気がしてまいりました。


このペースで行くと「なぜ配送計画の最適化が決定的に重要になるのか!?」とか「配車システムの導入を成功させるための重大ポイント!」とか、そういう実用的で当社のプロモーションにも寄与しそうな話にいつまで経ってもたどり着かないですね……。


ただ、私としては、そういう実用的なポイントというものは、システムに対する深い理解がないと「なぜそれが重要になるのか分からない」という表面的な、各人それぞれの実践においては結局、うまく活用できない知識になってしまいがちなので、こういう人間の勘と経験に代わりに使えるような、いわゆる人工知能的なソフトウェアはどのような思想や理論に基づいて作られているのか、ということを知って頂くことは重要であると考えるのですが、それにしてももう少しペースアップしていきたいと思います。



++朴成浩


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