【社長コラム】

ロジスティクスAI 戦略のポイント

複雑な自動配車を可能にするAI(人工知能)とは


From:朴成浩


以前、コンピューター囲碁を取り上げました。

私がこの話題に熱心なのは理由があります。


実は、私たちの自動配車システム

コンピューター囲碁には

ある重要な共通点があるからです。


ちょっと次のような質問を考えてみて下さい。


囲碁(将棋でもチェスでも結構です)に

上達するためにはどうすれば良いでしょう?


たとえば、定石を教えてくれる本は

たくさんありますが、それを読めば

ただちに強くなれるでしょうか?


あるいは、もし名人に24時間付きっきりで

教えてもらうことができたとして、

名人と同じように強くなれるでしょうか?


そんなわけはありませんよね。


もちろん、練習に時間を費やせば

上達することは間違いないのですが、


だからと言って、同じだけ練習しても

すぐに強くなる人もいれば

なかなか上達しない人もいる。


もしあなたが名人と同じように

同じ時間だけ練習したとしても

名人と同じ強さにはなれないでしょう。


なぜでしょうか?




人間の知的労働はシステムで代替できるのか?




囲碁が強くなるとはどういうことなのか?

それはどのような手順を経て達成されるのか?


ここで、ちょっと「囲碁」のところを

あなたの仕事に置き換えて考えてみて下さい。


たとえば、


良い配車が組めるようになる、

とはどういうことなのか?

それはどのような手順で育成できるのか?


というような感じです。


ほとんどの場合、明確に答えを出せない

質問になったのではないでしょうか?


確実に上手・下手の違いはあって

すごく上手にできる人も存在する、


なのに、それを成し遂げるための

単純な手順は存在しない。


身もふたもない言い方をしてしまえば、

「よく分からない」


これが人間の知的労働の本質であり

難しいところです。


人間からすれば一見、さほど難しくない。

なのに、システム化がうまくいかない。

そういう例はたくさんあります。


こんなにもテクノロジーが発達したというのに

21世紀にもなってまだ我々は働いている!


私たちの頭脳の代わりになるものを発明する、

それはこんなにも難しいということなのですね。




AI(人工知能)を用いた新しいアプローチ




このように多くの人間の知的業務には

単純な手順は存在しません。


それゆえ、良い配送計画の立案や

囲碁の最善の一手といった人間の判断は

従来の手続き型の手順化には本質的になじまない。


このことをよく理解しておくことが重要です。


たとえば自動配車システムのように、

人間の意思決定や判断の領域をシステム化

しようとするよう場合、

従来のシステム屋的なアプローチでは

決してうまくいかないのです。


通常のシステム化のアプローチは、

まずシステム化の対象となる業務を

要件定義するところから始まりますよね。


つまり今、人間がやっていることは

どのようなことなのか?

業務ルールにまとめようとするわけですが、


この対象が「人間の判断」である場合、

そもそもが本質的にルールや手順の集積に

まとめることができないものなので、


真面目に要件定義しようとすれば

要件定義がいつまで経っても終わらないし、

えいや、で進めると例外だらけで使えない

システムができあがる、ということになります。


人間の判断・意思決定に関わるソフトウェアは

通常の要件定義 → システム化という流れで

実現できるものではないのです。


こういう分野に挑む場合は、まずは

人間の知性に対する深い洞察が必要であり、


その次には、対象とする知的作業ごとに、

そこで発揮される「知性」の種類に応じて

それぞれに適した専門的なアプローチが必要になります。


* * *


では、判断や意思決定に関わる

人間の知的労働をコンピューターで

実現するためのアプローチとは

どのようなものなのか?


具体的なシステム導入系の話とは

少し離れてしまいますが、


ビジネス分野での人工知能の活用が

様々な分野で急速に実用化されつつある今、

絶対に欠かせないテーマなので

次回に続けていきたいと思います。



++朴成浩


弊社の自動配車システムは、物流にかかわる事業者様に広くお使いいただけるよう、
物流現場で見られるあらゆる制約・条件に対応しております。

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