【社長コラム】

ロジスティクスAI 戦略のポイント

社会インフラの効率化によって配送事業者がいま求められていること


From:朴成浩


「2016年はこうなる!」

という予想を1月はよく見かけますよね。


エンターテイメントとしては面白いのですが、

もっと重要な、忘れてはいけないことがあります。


本当に重要な変化というものは、

2016年だけにとどまるものではないということです。


目先で起こる変化というのは、

より深いところで起きている大きな変化の、

表面に見えている部分に過ぎないということはよくあります。


背景にあるいわば「地殻変動」とも言うべき部分を

自分なりに発見していくことが重要だと思います。


それでは、現在の日本のロジスティクスに起こっている

地殻変動とは何でしょうか? それは、


「今までの勘と経験が通用しない時代になっている」


ということです。なぜでしょうか?


大きくは2つの要因があります。


社会インフラへの投資が停滞していた背景

昨年は重要道路の開通が相次ぎました。

引き続いて今年はいよいよ新東名が名古屋側

(正確には豊田東)までつながります。


これは当然ながら、日本のロジスティクスに

直接的にも大きな影響を与えるものですが、

その背景にある、ある重要な社会環境の変化を

見逃してはいけません。


それは、社会インフラへの投資が

悪から正義に変わった、ということです。


90年代から2000年代にかけての

いわゆる「失われた20年」の間は、


日本はもう十分に先進国になったから

これ以上の社会インフラへの投資は不要である、


という強固な社会的コンセンサスが

形成されていたように思います。


これはつまり、


もうインフラは変わらない。社会は変わらない。

今日も昨日と同じように仕事をすれば良い。


ということにもつながります。

これではイノベーションは停滞しますよね。


事実、ロジスティクス分野だけにとどまらず、

多くの分野でこの間に産業の地盤沈下が進み、

じわじわと競争力が低下していったのはご承知の通りです。


いま配送事業者がすべきこと

その流れがなぜ、変わったのか?


東日本大震災、あるいはそれと関連づけて政権交代が

きっかけになった、という見方が通説ですが、


その前にも悲惨なトンネルの老朽化事故などもあり、

日本の社会インフラが不十分な上に老朽化しているという認識は

一部の専門家にとどまらず、一般にも浸透しつつありました。


また、同時期の中国の、社会インフラへの巨大な投資と

それに歩調を合わせた経済および競争力の大躍進を

目の当たりにした、ということもあるでしょう。


いずれにしても、流れは大きく変わりました。


しかしながら、日本のような先進国では

社会インフラへの投資は莫大なものになります。


この点について、実は昨年、注目すべき施策が

実施されたことにお気づきでしょうか?

海老名ジャンクションの2車線化です。

(⇒詳細:NEXCO中日本 ニュースリリース)


これは、従来の行政では考えられなかった施策で、

次の点でまさに画期的と言えます。


1. 行政が社会ニーズに的確に応えたということ


2. 道路設備や構造物といったハードウェア投資をせずに

運用というソフトウェアの改良で改善を実現したこと


3. 問題発覚から解決策の実現までの異次元のスピード感


同様の「運用の改良」は今年も何カ所か検討されています。

この行政の変化はおそらく道路だけにとどまるものではないでしょう。


今までの常識では巨大な投資をしなければ解決しないだろう

(=だから何も変わらないだろう)と思われてきたようなことでも

このように今はどんどん変わっていきます。


社会の効率を向上させることに寄与するイノベーションであれば

たとえそれが社会の仕組みを変えるようなものであっても歓迎する、

そういう世の中に変わってきているということです。


逆に言えば、社会全体の生産性の向上を目指して

事業者にも積極的なイノベーションが求められている、

ということは心しておかなくてはいけません。


社会インフラのヘビーユーザーである

ロジスティクス企業を取り巻く社会環境の変化、

およびそれに伴う物流環境・物流地図の激変。


これがまず最初の「勘と経験が通用しない時代」の要因です。

次回に続けたいと思います。


++朴成浩


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