Case

SBS東芝ロジスティクス株式会社 様

配車計画をベースに倉庫を動かす先進的な運用
自動配車が可能にする現場ぐるみの効率向上

何台もの車両が同時に同エリアへ配送に向かうのは非効率だと誰もが分かっている。 しかし、複雑にからまった関連業務を解きほぐし、的確な対策を立て、 顧客に理解を求めながら改善策を実行に移すのは容易ではない。
配車計画を起点に、出荷から配送まで広範囲の業務をシンプルに効率よく遂行する。 理想の業務の先にある採算性向上という目的に向け、粘り強く課題と向き合う。
その姿勢が着実に成功を引き寄せている。

    • SBS東芝ロジスティクス株式会社
    • 関西ロジセンター

    輸送グループ責任者飯田 邦明

導入の背景

配車を軸に出荷・配送工程の効率向上を狙う

 SBS東芝ロジスティクス様は東芝グループ製品の物流を手掛けており、十数年にわたり『LYNA(ライナ) 自動配車デスクトップ』をシミュレーションソフトとして活用してきた。今回は、関西の家電配送の基幹センターである量産品ロジ事業部 関西ロジセンターで『LYNA 自動配車デスクトップ』を使った新たな採算向上プロジェクトを2014 年2 月に立ち上げた。
 テーマは、グループ外の荷主から受託している大型小売店への固定ルート配送と、配送制約が厳しく物量が不定の小型店へのスポット配送の一体化である。2つの配送業務を統合して配送効率を向上させるとともに、配車計画ベースで出荷作業を行うことで出荷業務の効率化も狙うというものであった。

  • 異なる納品形態の配送業務を統合して配送効率を向上させたい
  • 配車計画を起点に出荷作業を組み立て、庫内業務のスリム化も狙う

選択と導入

スムーズな運用を最優先に業務を組み立て

 プロジェクトの着手当初は、「対象範囲が広く、すべてを一度に実現するのは困難だった」という。配車計画の規模が大きくなれば内容の確認だけでも手間がかかる。大型店担当のドライバーや顧客からは長年続いた納品形態が変わることに戸惑いの声が上がった。大規模な配車計画は一度に大量の出荷指示を生むことになり、出荷作業にも影響を及ぼした。
 この状態にプロジェクトチームは運用を見直すことにした。 まず、対象を小型店へのスポット配送に絞り、配送エリア単位での配車とした。『LYNA 自動配車デスクトップ』と基幹システムの連携を整備し配車担当者の負担を軽減。顧客への周知も進めた。スムーズな運用を最優先に環境を整備したのである。

  • 従来ルールの良いところを生かしつつ現実的な業務をデザイン
  • 関連するシステムや社外の環境も整えて運用に臨む

導入の効果

出荷・配送業務を通じて効率が向上

 現在はエリア単位の配車を起点に業務が進められている。まず基幹システムから配車対象オーダーを『LYNA 自動配車デスクトップ』へ取り込み、自動配車を行う。計画修正は配送車両の差し替え程度で済むことも多い。完成した計画は基幹システムへ取り込み、出荷指示へ展開される。
 「個々の計画規模を抑えることで配車担当者の負担は減りました。ドライバーには慣れたエリアを中心に配送先が割り当てられます。出荷業務との連携も取れるようになりました」
 庫内では基幹システムとの連携によりピッキングした商品をルートごとに仕分ける工程が省略され、直接出荷バースへ集積できるようになり、作業効率が格段に向上した。

  • 配送だけでなく出荷側のオペレーションも大幅に効率化
  • 配車担当者やドライバーの負荷を上げずに効果を出す

今後の展開

組織全体での効率の向上と共同配送事業強化

 現在は効率化へ取り組みを継続しつつ、このメソッドの他センターへの展開、他の課題への応用、共配事業向けサービスなどのアイデアも温めている。
 SBS東芝ロジスティクス様ではシステム活用に際し、システムは人を補助し、チームの力を底上げするためのものであるという方針で臨んでいる。それにはスタッフ側も一定の知見や経験が必要との考えから人材育成にも注力する。
 「専門家集団を作らずともチームをシステムで補強し、組織的に高度かつ均質なサービスを提供するのが理想です。それが共配事業の強みにもなります」
 地道な課題解決の先に事業強化を見据え、プロジェクトはこれからも続く。

  • 成功パターンを他の現場へ展開、他の課題への応用も探る
  • システムで個々のチームを補強して高度なサービス体制を築きたい

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自動配車を導入された企業さま情報

SBS東芝ロジスティクス株式会社
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