「LYNA 自動配車クラウド」をご導入いただいております諏訪梱包運輸株式会社様の代表取締役社長 浅川氏と営業主任 飯沼氏のお二方に、「LYNA 自動配車クラウド」の導入経緯や効果などについてお話を伺いました。
諏訪梱包運輸株式会社 代表取締役社長 浅川氏(右)、諏訪梱包運輸株式会社 飯沼氏(左)
浅川氏:
当社は、長野県下最大級の倉庫面積を持つ諏訪倉庫グループの運送部門を担っている運送会社です。BtoBの企業間物流を中心として、基本的には日本全国をカバーする貸切チャーター便を展開しています。車両数は大型トラックを中心に全体で約140両、営業所は長野県下に本社の上田市と長野市と松本市と岡谷と佐久市の5箇所、加えて県外に埼玉県の深谷市、群馬県の前橋市、愛知県の小牧市と合計8箇所で営業しています。
当初の一番の特長は全国に広がる輸送ネットワークです。おおむね550社の同業者と取引をしていまして、例えば九州へ行っても北海道へ行っても、その地元の輸送会社と取引がありますので、帰り荷を手配して極力無駄のない輸送をしようと努めています。一方で、長野県から九州や大阪、関東など、それぞれの地域へ出る貸切貨物を運んでいただく取引も多く行っていまして、全体の自社便の台数の倍くらい、協力会社さんの車を配車しています。
もう一つの特長は長野県下の配送に強みがある点です。長野県は北から南まで細長い、面積が広い県ですので、配送的にはやりづらい地域ですし、特に冬は降雪量が多いので、どこへ行くにも峠を超えなくてはいけません。色々とやりづらい部分があるんですけれども、地元の利を生かしながら長野県の配送を年間通して安定的に行っています。また、段々と世の中が地方に在庫を置かない方向に動いてきていますので、首都圏や中京からの在庫を幹線便で長野県まで持ってきて、それを夜間仕分けして翌日には全県下へ配送というケースがお客様の要望として多く、そういった要望に応えられるよう長野県下の配送網を構築しています。
浅川氏:
当社の全体の6割以上は食品系です。そのため、食品向けに車両の9割をウイング車で構成しています。長野県は水が良いので、飲料水やお茶、コーヒーなど、飲料のパッカーさんが非常に多くてですね、夏場になると本当に車が足りないくらい出荷が増えます。
浅川氏:
先ほどお話ししましたように、当社では首都圏からの貨物を夜間仕分けして翌朝から配送するという業務を日々行っております。その中の一つ、潤滑油配送での配車が課題となっていました。県下にあるガソリンスタンドや自動車工場、製造工場などで使う潤滑油やオイル関係を日々配送しており、1日平均して100〜150件くらい配送件数がある業務です。
以前は都市ごとに6つの地域に分かれるよう人の作業で配車を組み、ほぼルートを固定化していましたが「今日は上田がものすごく多いです」「松本がすごい増えちゃいました」と、オーダーがどうしても均一に来るわけではないので、地域ごとに車を出しても上手く重量と配送件数が合わないことがあって。そこで、やはり人が組んでいると配車に2〜3時間かかり、苦労していました。オーダーが来ないと組めないものですから事前準備もできず、どうしても時間がとられていました。
さらには、ドライバーの業務量に偏りが出てしまっていました。上田地域は早く帰って来られるけど、飯田に行くと本社から200km以上離れているので、帰りが遅くなっちゃうと。それを日々続けているとドライバーのなかで不公平感がどうしても出てきてしまいますから、配車担当者は板挟みになってしまうと。正直、何名か退職してしまった者もおります。
ドライバーは毎日業務を経験して、どんどんベテラン化していくんですね。一方で、配車担当者は自分が配送に出ているわけではありません。そうすると、「現場を知らないのにこんな配車組んで・・・」とドライバーから配車担当者にクレームがいったり、配車担当者が精神的に苦労する部分が多かったりというのがあって。どうしたもんかなぁと、ずっと課題ではあったんです。良い方法はないかなぁと模索していました。
浅川氏:
たまたまですね、「LYNA 自動配車クラウド」を知ったのは。
当社は、鋼材を千葉県から大型で持ってきて、長野県に4トン車で配送するという鋼材の共同配送も15年ほどしています。その関係で、同じく鋼材の共同配送を行う千葉の大剛運輸さんとは長い付き合いがあります。
自動配車のことをネットで調べていたら、たまたまライナロジクスさんのホームページを見つけて、たまたま導入事例の中に大剛運輸さんの事例があって。それから大剛運輸さんに問い合わせをして「どうです?」と聞いたら「便利に使っています」ということでしたので、ぜひライナロジクスさんから詳しく話を聞きたいなということで、お問い合わせをしたのが最初です。
浅川氏:
配車担当者の中でベストだと思って組んだものでも、ドライバーに見せると「こんなんじゃだめだよ」という声が出てきます。6〜7台で配送していますから、どこかのルートにはしわ寄せがいってしまって。1日1回か2回は、そういうのがあってもドライバーも言えばやってくれますけれども、それが1ヶ月の間で重なってくると、配車担当者に「こんなんじゃ行けないよ」ということを言ってくるようになるので、配車担当者は非常に心労が多いというのは前任者を見ていて私も分かっていて。どうにかしないとこれは続かないなぁと思っていました。
飯沼氏:
前任者が退職し「潤滑油の配車をやれ」と言われた時は正直嫌でしたね。近くでそれを見ていたので。
今社長がおっしゃったように、ドライバーに言われるのが目に見えていたので、正直やりたくない、できることならばやりたくないなという気持ちが一番にありました。また、業務上、経験を要する側面が強く、長野県は縦に広いので同じ市内でもまったく違う場所であったり、市内を行くよりも他の地域からのほうが行きやすかったりとかというのがあり、始めて半年くらいは長野県の分厚い地図とずっとお友達でしたね。付箋を貼りながら業務をしていました。
それでも忙しい時期は、どうしても言われることがあって、どうしようもないものなんだな、しょうがないことなんだな、と思っていました。そんな時に本当に急にというか、ある日突然社長から「こういうの(LYNA 自動配車クラウド)があるんだけど」と言われて「はい」みたいな。なにか分からなくてネットで調べました。ただ、実際に私のやっていた業務にあてはまるイメージがまったく湧かなくて、最初はどう使うかもわかりませんでした。
浅川氏:
配車担当者を精神的な負担から解放してあげたいというのが一番ですね。二番目がドライバーの業務量を極力平均化したいと。
ドライバーによって帰りが早い・遅いの差がかなりあって、恐らく現地で終わる時間はそんなに変わらないんですよ。上田市内のドライバーは10分くらいで帰って来られるけど、飯田のドライバーは本社の上田に帰って来るのに2時間くらいかかるので、それだけで時間の差ができてしまうわけです。
手配車では帰る時間までを考慮して組むのはどうしても難しい部分があるので、自動配車で平均的に偏りのない配車を組む仕組みというのが構築できれば良いなと考えていました。
浅川氏:
正直、手配車で偏りのない配車を組むのは難しいと思います。朝の渋滞や道路状況を考慮したり、貨物の量が多ければ配送先での荷降ろし時間を通常よりも多く見積ったりと、そういった考慮する要素を一つ一つ積み上げていきますので。
人間も時間をかければできると思いますけれども、それを短時間でできるというのがやはり「LYNA 自動配車クラウド」の一番のありがたいところですよね。わずか数分でそこまで計算してくれるわけですから。
浅川氏:
自動配車システムに近いようなシステムがあるにはあったんですよ。ただ、それは自動配車というよりは、半分人・半分システムでというかたちで、方面だけは人が決めて、方面の中ではシステムがルートを組んでというもので、当社の業務との相性を鑑みると人が組んだほうが良いと見ていました。
一方で、「LYNA 自動配車クラウド」は、全体に効率的なルートを組んでくれることをはじめ、渋滞時間を計算します、作業時間も計算します、何時までという時間指定の条件も入れられますと、色々な条件を設定さえすればそれを全部考慮して計算するという仕組みだと説明を受けた時に、細かい部分までちゃんと手が届いているなぁと。
配送条件をお客様から受け付けるのは簡単ではないんですけれども、それでも午前中に来てほしいとか、できれば朝一で来てほしいとか、午後じゃないといませんとかね。そういう色々な条件がお客様によってありますから。
「LYNA 自動配車クラウド」は、実際に配車の実務をやっている人がつくっているのかなぁというくらい、単純に組むだけではなくて、それぞれのお客様の要望を細かく入れられるようになっていたので、そこが非常に実践的だと感じました。これはもう即使えると、最初に説明を受けた時点で「LYNA 自動配車クラウド」に決めようと思いました。
飯沼氏:
「LYNA 自動配車クラウド」は基本的に私がなにも手を加えなくても配車が組めますね。新しい配送先が入ってきたから何かを追加しなきゃいけないとか、それがほぼなくて。
本当に楽ですよね。もう導入前には戻れないです。今風の言葉でいくとQOL爆上がりですね。業務効率や質が上がり、他のこともできるようになりましたし、私自身、非常に費用対効果を感じています。
また、配車業務を誰がやってもできるようになりました。(取材を受けている)今の時間は普段であれば配車を出している時間なので、私じゃなくても誰かがやってくれているような状態です。そのくらい簡単で実用的です。経験もほぼ必要なく誰でもできますし、どれくらいの配送件数でどのルートを回ってというのも本当に一目で分かるので、私もお休みをいただきやすい環境になったのかなと。
ストレス的な部分でも、今はドライバーさんからクレームや不満を言われることはほぼないですね。今であれば誰かに引き継いでもいいかなと思います。
飯沼氏:
前提として「LYNA 自動配車クラウド」を使用している仕事はリードタイムが非常に短い仕事になります。翌日の配送分のデータが決まるのが14時であるのに対して定時が17時30分で、3時間ほどで配車を組まなくてならないと。
以前はオーダーのデータが揃い確定してから、重量のチェック、配送先のチェックなどをして、配車を組んで、ドライバーさんに指示ができる状態になるまでに2時間30分から3時間くらい、定時ぎりぎりまでかかっていました。本当に量が多い時は3時間では終わらず残業ですよね、21時手前までやっていたこともありました。
今は「LYNA 自動配車クラウド」で、基本的にはボタンを押すだけで次の日の配送が決まるので、本当に配車を組むだけであれば5分で組めています。
また、「LYNA 自動配車クラウド」の配車結果に手直しをすることもありますが、ここは私のこだわりの部分なのかなと。基本的には手直しはしないですね。8割9割くらいの日は「LYNA 自動配車クラウド」に丸投げしています。
浅川氏:
ドライバーは、今はだいたい17時くらいには帰れていますね。以前であれば遠くへ行く日は、ドライバー本人も諦めてる、会社も仕方ないか、という感じでしたけど、今は明るいうちには帰って来ていますから、かなり改善されたと思います。
以前は、1人が18〜19時、2人くらいが15〜16時、他は17時前後という感じで、1人は間違いなく遅くなっていました。
今思えば、「LYNA 自動配車クラウド」を「なんでもっと早く導入しなかったんだろう」と、本当に思いますよね。
浅川氏:
ドライバーと飯沼君の仲が良くなりました(笑)
飯沼氏:
そうですね、だいぶ変わったと思います。
浅川氏:
今はもう気楽に話をしていて。
飯沼氏:
以前は正直あまり話したくなかったんですけど、今はプライベートの話もしますし、ドライバーさんからも気軽に話しかけてくれるようになりました。「LYNA 自動配車クラウド」を導入した当初は何回かぶつかったりとか、「おまえが自分で組んだ方がいいだろ」とか、色々な声が正直あがったんですけれども。
それでも、ドライバーさん全員の前で社長が「最低半年は我慢してくれ、絶対いい方向に向かうから!」とおっしゃって。そこからですね、私自身もやらなきゃいけないみたいな。社長にここまで言わせてやらないわけにはいかないというのがありました。
ドライバーさんとも話しながら少しずつデータを入れていって運用にこぎつけて、1年くらい前からは不満はほぼ出ずに回れるようになっています。導入していただいて個人的にも本当に良かったなと思います。
浅川氏:
以前と比べればドライバーの時間外労働は圧倒的に減りました。「LYNA 自動配車クラウド」の活用は、時間外労働の短縮にも効果があったと感じています。
飯沼氏:
設定の自由度が高い点と、見えなかったものが見えるようになる(情報が可視化される)点です。例えば配送先であれば、配車をしたタイミングで地図にピンが刺さって出てきます。以前であれば長野県の地図を開いて「このへんかな?」程度でしかなかったものが画面上で一目瞭然になることに感動して。
最初、ライナロジクスさんから説明やデモを受けた時に、このシステムだったらドライバーさんと割と対等に話ができるなと思いました。
実際、今まで地図で見るしかなかったものが、「AからBまでの配送先が何kmあって、このくらい時間がかかって」というのが一目で分かるようになったので、「このぐらいの時間がかかるからこの配送先は別のドライバーに変えて、あとは配送できるよね」と具体的な話や指示ができるようになりました。ドライバーさんと共通理解のもと同じ目線で業務を捉えることできるようになったので、ドライバーさんの話し方やあたり方というのも全然変わってきましたね。
浅川氏:
従来のやり方と同時進行しているほど余裕もなかったので、もう導入しようとなった時から一気にぱっと変えました。ただ、最初は条件を入れきれていない部分もありましたから、導入から1ヶ月くらいは「LYNA 自動配車クラウド」で組んだ配車が完璧ではありませんでした。それから条件をどんどん入れて、3〜4ヶ月はかかったと思うんですけれども、その間はドライバーも移行時期だからということで見守ってくれていました。
飯沼氏:
最初の1週間は「LYNA 自動配車クラウド」の配車と自分で組んだのを見比べていました。ドライバーさんには、その次の週からは「LYNA 自動配車クラウド」の配車に切り替わるからって話をさせてもらって、この配車だったら「LYNA 自動配車クラウド」であればこういうふうになるよというのを見せていました。ドライバーさんからしたら本当に急だったと思います。少ない時間の中で対応してくれました。
浅川氏:
「LYNA 自動配車クラウド」で組んだものと人が組んだものを比べると、コース組みにかなり違いが出ていました。例えば今まで上田地域の車だったら上田地域だけを走るコースだったのが、「LYNA 自動配車クラウド」で組むと、上田〜長野〜松本と「えー」と思うようなコース組みをする時があります。ドライバーから「こんなの!?」という反応は確かにありました。
ただ、それでも1週間や1ヶ月走ると、まあまあみんな同じような時間に帰ってきてるよね、というのがだんだん分かってきて、無駄に上田から長野行って松本行っているわけではないなとドライバーも理解したんだと思います。以前はどうしてもある地域の中で小さい範囲で走って配送していましたから、最初はそこの部分を理解するのに多少時間かかったような気がしますけど、次第に配車を疑う声は聞こえなくなりました。
浅川氏:
最初、ドライバー全員を集めて、LYNA 自動配車クラウド導入に際しての説明会をやりました。そこでドライバーに伝えたのは、なぜ自動配車を入れるかということです。ドライバーのためなんだよと。
以前、人が組んでいた時は、遠い人は遅い、近い人は早いというのが当たり前でした。「それを変えたいんだよ」と。「配車担当者が楽をするためにやるんじゃないんだよ」と。「みんなが早く帰れるようになるために、それが一番の目的なんだよ」ということを伝えました。
だから移行期間は我慢してくれと、その代わり出た配車は1ヶ月は文句言わずにやれと。「まずやってみないと分からないだろう」ということを最初にしっかり説明しました。なんのための自動配車なんだというのをドライバーがちゃんと理解すれば、そのためならまぁやってみるかということで、大きな文句は言わずにね、取り組んでくれたのかなと。これが恐らく飯沼君のためにやるからと言っていたらね、「そんなおめぇのために」ってなっちゃうけど(笑)
浅川氏:
同じ潤滑油の配送を群馬県の営業所でもやっていますので、横展開したいなと思っています。群馬県は長野県と比べると、県の面積が大きくなく配車担当者が苦労するほどではないんですけれども、配車業務は属人化しつつあり数名しかできない状態ですし、この便利さを知れば、誰でも事務担当の人でもできるようになりますから。
それと食品配送にも活用したいと思っています。問屋さんへの配送なのでそこまで件数が多いわけではないんですけれども、件数が多くないゆえに人でやって割とかんたんに組めてしまうので、逆に違う目で見ることができていないんですね。
最初、「LYNA 自動配車クラウド」の配車結果を見た時に「地域をこんなに移動して組んだほうが良いんだ」と、目から鱗でした。「LYNA 自動配車クラウド」であれば既存の感覚にとらわれない人と異なる組み方をしてくれる可能性がありますし、取り入れてみる価値はあるのかなというふうに思っています。
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