会社の合併によりさらなる物流サービスの提供を求められるようになった明治ロジテック様が、個人が持つ配車ノウハウを組織全体で共有し、全国の拠点で等しく高レベルな配車を維持するために選択したのは、自動配車システムを利用した業務標準化の道であった。
営業活動においても自動配車を生かして提案の質を向上させるとともに、他にはまねのできない物流サービスの実現に向けて走り出している。
課長高橋 祐一氏
中西 英明氏
係長弘瀬 圭氏
(株)明治グループの物流会社として長年培った低温物流のノウハウを生かし、高品質の物流サービスを全国展開している明治ロジテック様。自動配車の導入は、グループ内の物流会社同士の合併により一層高度なサービス提供が必要と考えたからだった。
「もともと拠点内の配車ノウハウの継承には頭を悩ませていました。そこへ合併により配車係も全国配置転換の対象となり、世代交代もあって、拠点間でも配車の質に差が出る懸念が生じたのです」
一方、本社の営業担当は、物流提案の作成に既に他社製品の自動配車システムを利用していた。しかし機能不足から活用にはほど遠い状態であったという。 拠点の配送ルート作成業務の標準化を図るとともに、営業用途でも活用すべく自動配車システムの全社導入が決定した。
明治ロジテック様では、選定で計算速度や機能面で高評価を得た『LYNA(ライナ) 自動配車デスクトップ』にカスタマイズを実施。独自の自動配車システム『ML-6』として運用している。 利用促進のためサポート体制も充実させた。核になるのは全国の配車係を集めて定期的に開催される勉強会である。
「操作の習得や機能の周知、配車ノウハウの共有が狙いです。『ML-6』の操作習得率を上げ、標準化を進めるために欠かせない仕組みです」
既に配車係の半数以上に当たる50 ~60 人が操作をマスターしているという。
また、勉強会は現場の要望を吸い上げる場にもなっている。ここで寄せられた意見が機能追加の検討につながっている。
当初の目的通り『ML-6』は拠点の配送ルート作成業務で成果を上げている。営業活動でも手応えを感じているという。
「コスト削減効果の高い提案を手早く作成でき、提案頻度もコミュニケーションも向上しました。荷主の評価も上々で、貢献できていると実感しています」
プレゼンテーションでは荷主とともに『ML-6』上で配車計画を精査することで一層の効率化のヒントを得ることもある。
計画作成者のスキルや土地勘に関わらず高精度の配車が可能なのは営業活動でも有利だ。自動配車を利用して提案した配車計画ほぼそのままで配送を実施しているケースもあり、精度の高さを証明している。
明治ロジテック様では自動配車を多方面へ利用しようと検討している。幹線輸送への適用や拠点間の配送担当エリアの見直し、過去に取り扱いのない菓子類の輸配送提案など、テーマは多岐に渡る。グループ向け輸配送の現場では日々配車によるアイスクリームの配送が始まった。製品の生産計画と配車計画の連動という先進的な取り組みにも着手している。
その先に見えるのが3PL 事業の推進だ。
「まずグループ向けにこれらを実現し、その先に3PL 事業の拡大があると考えています。やってみないと何も分からないという気持ちで取り組んでいます」
理想を追求する姿勢と実行力が、明治ロジテック様の物流品質の源泉である。
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