荷主から配車業務を受託するための環境整備の一環であった自動配車システムの導入。
配車業務の省力化に留まらず、全体最適の観点からもっと大きな効果を引き出したい。
全社横断のプロジェクトチームが実現させたのは、配車から運賃精算までの流れを
一貫して自動化し、徹底して手作業を省きながら精度向上を図る仕組みであった。
日々運用のさらなる高度化を目指してシステムの改良を続けるとともに、
業務分析やコンサルティングといった先進的な取り組みが始まっている。
部次長山中 教嗣氏
担当課長尼﨑 曜生氏
ヒガシトゥエンティワン様は一般貨物の保管・輸配送に加え、館内物流やオフィス移転、IT工事など多様な事業を展開する物流企業である。『LYNA 自動配車デスクトップ』を活用しているのは電柱や埋設線の工事に使う資材の保管・供給業務だ。日々30~40台の車両が関西一円に配送を行っている。
以前は荷主が配車しヒガシトゥエンティワン様が配送する体制であったが、配車業務も外部委託されることになった。自動配車の導入はその条件のひとつとなっていたのである。
「主要荷主によるコンペで結果を出さないわけにいかない」初の全社横断チームが結成され、プロジェクトはスタートした。
事前調査では『LYNA 自動配車デスクトップ』ともう一つの製品が有力候補に挙がった。
「他は自動配車後に計画の手直しが必要で、自動配車と言えないと感じました」
選定では導入企業へのヒアリングや実物の見学で実用性を検証するだけでなく、自動配車を支える理論や論文からも理解を深めた。その結果、機能・性能だけでなく導入コストも含めて『LYNA 自動配車デスクトップ』がダントツでNo.1という評価になったという。
導入時は周辺システムとの連携も整備した。受注データはWMSと『LYNA 自動配車デスクトップ』に送られ、それぞれ出庫指示と配車計画が作成される。配車計画は運送システムに送られ、運賃が計算される仕組みだ。
「荷主との契約で、配車計画ベースで運賃を精算しています。計画を確定した段階で請求処理も完了します」
現在は毎日2つの配車計画を作成しており、作業時間は全部で1時間程度だ。
荷主が配車していた頃は自動配車だけで半日ほどかかっており、計画修正にはさらに時間を要していたという。順調な運用の背景にはデータ精度と運用ルールの遵守がある。特に、荷主が管理する商品マスターの精度の高さと、受注締め切り時刻など作業スケジュールが守られていることが大きい。
運送システムと連携した運賃精算の仕組みは事務コスト節減に貢献している。
「これまで事務スタッフは運賃の精算と入力に忙殺されていました。この業務が手作業のままでは、この少人数では現場を回せていないと思います」
順調に運用されている『LYNA 自動配車デスクトップ』だが、より良い自動配車を目指し改良は続く。
「配車結果は実用レベルとはいえ、高速道路の利用の仕方など人の感覚とややズレることもあります。運行ではドライバーへの指示だけで済みますが、運賃精算では訂正作業につながるので精度を上げたいですね。安全への配慮や人が持つ知見も配車に反映できれば完璧です」
BIツールとの連携も期待されている。
「蓄積したデータから輸送コストを分析してコスト削減策や適正運賃の設定に生かしたり、荷主へのコンサルティングへ展開できればと構想しています」
日々の業務をこなすための存在から利益の源泉への取り組みが始まっている。
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