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「LYNA 自動配車デスクトップ」を用いて輸送ネットワークを科学的に評価
東京工業大学が宅配便サービスにおける幹線物流の研究成果を発表



国立大学法人 東京工業大学(以下「東京工業大学」)は自動配車システム「LYNA 自動配車デスクトップ」を用い、ヤマト運輸株式会社(以下「ヤマト運輸」)の宅配便サービスにおける輸送ネットワークの定量的な評価を行う研究を行い、この度「実データに基づく宅配便物流の市地域集約方式による効率化の研究」と題した論文としてまとめました。
この論文は2016年3月16日(水)に開催された「ビジネス・インフォマティクス研究会(SGI-BI)」第4回研究会にて発表されました。


研究の背景と目的

EC市場の拡大に伴って日本国内における宅配便取扱量は年々増加しており、荷物を早く、いつでも受け取りたいといった消費者のニーズも高度化しています。ニーズに応えるため宅配便事業者は高度な輸送ネットワークを構想・実現していますが、そのネットワークにおける輸送コストや輸送時間といった定量的な評価はこれまで行われてきませんでした。 本研究は、輸送ネットワークの改良策について、各種の評価値の変化や問題点を定量的に評価・検証することを目的としています。ヤマト運輸が提供した実データを用いて輸送シミュレーションを行い、その結果の比較検討を行いました。

研究における「LYNA 自動配車デスクトップ」の役割

輸送シミュレーションにあたっては自動配車システム「LYNA 自動配車デスクトップ」を利用しています。ある配送サービスエリアにおいて、輸送拠点間の幹線輸送の運行形態の変更や、輸送拠点のさらに上流となるメガセンターの設置といったネットワークモデルを想定し、それぞれについて配車計画を作成して評価を行いました。
本研究では定量的な評価を行うため、輸送シミュレーションには現実に即した条件設定と高い計画精度が求められます。「LYNA 自動配車デスクトップ」は自動配車エンジンの性能とカスタマイズなしで多様な条件設定が可能な点が評価され、本研究における輸送シミュレーションという重要なミッションを担うこととなりました。

研究成果の発表について

この研究成果は論文にまとめられ、2016年3月16日(水)に開催された「ビジネス・インフォマティクス研究会(SGI-BI)」第4回研究会にて発表されました。 論文はビジネス・インフォマティクス研究会のウェブサイトにて閲覧可能です。

タイトル:「実データに基づく宅配便物流の地域集約方式による効率化の研究」
黒瀬 雄太(東京工業大学)
寺野 隆雄(東京工業大学 情報理工学院 情報工学コース 教授)

ビジネス・インフォマティクス研究会(SGI-BI)」第4回研究会
http://www.sig-bi.bona.jp/meeting_04.html
(プログラムから論文を閲覧できます)



東京工業大学 情報理工学院 情報工学コース 寺野隆雄研究室について
「社会科学を実験科学に!」をモットーに、様々な社会現象を科学的に研究する研究室です。社会シミュレーションの手法であるエージェント・ベース・モデリング(ABM)などを用い、社会システムを中心にさまざまな分野の研究を行っています。

寺野隆雄研究室ウェブサイト
http://www.trn.dis.titech.ac.jp/GEAR/jp/index.html

東京工業大学ウェブサイト
http://www.titech.ac.jp/

ビジネス・インフォマティクス研究会について
経営に関連する知能情報技術を表す「ビジネス・インフォマティクス」をキーワードに、経営分野において人工知能で取り組むべき課題を発掘する課題発掘型研究を主要な目的とした研究会です。
ビジネス・インフォマティクス研究会ウェブサイト
http://www.sig-bi.bona.jp
 
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